幸せとはなにか
ずっと幸せになりたいと思っていた
何かあるたびに自分は不幸だと錯覚し
幸せになりたいといつも心が叫んでいた
自分以外の人は大抵自分より幸せそうに見えたし
たまに自分より不幸な人を見ると安心した
だけど気付いたの
生きている。
こんな当たり前のことがもう既に幸せだということに。
息を吸ってはいて。
今日も病気もせず、毎日のルーティンをこなしながら普通に笑ったり泣いたり怒ったり。
朝が来て昼が来て夜が来て、そしてまた目覚める。
こんななんでもない平凡な毎日こそが幸せの究極の形だった。
だってこんな普通の毎日ですら、死んじゃったらもう手に入らない
自分のことをずっと不幸だと思い込んでいたけれど
春香はずっと幸せだったんだ
ずっとずっとなに不自由なく生きてこれた
なんて幸せ者なんだろう
昨日も今日も幸せだった
明日も明後日も明々後日も
生きている限りずっと幸せ
こう思うようになってから苦しい気持ちになることが少なくなった
幸せになる努力をする必要がなくなって心が軽くなった
頑張る必要なんてなかったんだなぁって思う
生きていることこそが幸せ
だから春香も今日も幸せだったよ