それは なんとなく もやもやしていたからだ

まこりが毎日忙しそうに あれだこれだとやっている

それはお勉強だったり バイトだったり 飲み会だったり 家の手伝いだったり

まこりは毎日忙しそうにしているけれど

忙しいとき まこりの頭の中には どれくらいの春香がいるのだろうか

存在はしているけれど 僕達は肉眼で確かめ合う事はできなくって

愛し合ってはいるけれど それを証明するものはなにもなくって

将来を誓い合ってはいるけれど それはあまりにも漠然としていて

手を取り 助け合うことすら出来ない僕達は

いったい 僕は貴方のために何をしてあげられるのだろう

そんな事を考えていたら

急にまこりが遠くなった

遠くて遠くて

目を見開いても そこにはまこりの笑顔など見える筈も無い

手を伸ばしても まこりに届く筈も無く

大きな声を張り上げても まこりの耳に届く筈が無かった

急に不安になった

もしかしたらまこりに愛されていないかもしれない

もしかしたらまこりには他にもっといい女性が近くにいるのかもしれない

もしかしたら もう まこりには春香など必要ないのかもしれない



ずっともやもやしていた


まこりはそれを昨日丁重にほどいてくれたけれど


まこり 春香は不安だよ


まこりが今何を考えているか 春香は知らない


まこりが今何を見つめているのか

まこりが今何を感じているのか


春香は知らない


遠すぎて 遠すぎるから


僕には 知ることすら許されないんだ


ねえ まこり


僕達は いつ幸せになれるのかな


ねえ


まこり



春香が我侭なだけなのかな



春香は ただまこりの傍に いたいだけなんだよ。