明日の愛想笑いの為に。
子どもの頃早く大人になりたかった
親とはうまくいっていなかったし
当時の恋人とは遠距離恋愛をしていた
子どもだった自分には自由もお金もなく
会う事さえもままならなかったからだ
大人になってからは自由だった
親元から離れた為口うるさく言われる事もなくなったし
お金もあった
自分だけの家、自分だけの車、自分だけの時間、自分だけのお金
誰に文句を言われる事無く自由に暮らせた
欲しいもの全てを手に入れられて幸せだったはずなのに
とても虚しかった
そこには最愛の人がいなかったからだ
しかもそれは全て自分の行いせいで、だ。
この虚しさは一生ぬぐえないし一生後悔し続けることになるだろう。
＋
２０代の頃はとにかくがむしゃらに働いた
仕事を覚えるので必死だったし
仕事を与えられることが嬉しかった
自分の仕事を上司に認められるのが嬉しかった
職場の人間関係で挫けそうになった事もあるけれど
専門分野の講演会に何度も足を運び勉強を重ねる等
同期がやらなかった努力を重ねた
当時の職場の同期は数人いたがそのうちの一人とは今も繋がっていて
年に数回飲みに行くことがある
彼女は結婚して子供を二人設け専業主婦をやっている
そんな彼女は酔うと必ず口にすることがある
『はるちゃんのお陰で仕事辞めずに頑張れた』と。
当時私と同期は同じ部署に配属された
その時のトップの女上司がまたヒステリーな人で
その女上司の上司でさえも彼女の扱いに困り果ててたような人物だった
新職の私と同期は仕事をろくに覚えていないうちから毎日のように怒鳴り散らされた
同期は委縮して、上司の彼女が勤務の時は別の部屋に閉じこもる始末
私もガンガン怒鳴られたけれど、女のヒステリーには実母で慣れていた
こんなところでヒステリーだった親に感謝するなんてと思った
私は一生懸命仕事を覚えた、それを同期に教えた
私は怒鳴られながらも女上司に指示を仰いだ、それを同期と共有した
私は女上司の長い話を嫌な顔一つせず何時間でも聞いた、そして女上司に気に入られた
それを同期と共有し、女上司と同期の仲を取り持った
そんな経緯があるから同期は酔うと必ずあのセリフを言うのだ
同期とは今でも仲良しであるし、困った時や愚痴をこぼしたい時は会って何時間もしゃべる
もっとお酒が進むと同期はいつもこういう
『はるちゃんが羨ましかった』
これは裏を返すと私の事を恨んでいたということになる
私はお酒を飲まない、誰と飲みに行っても常にしらふでいる
だから『そんな事ないよ、あなたの方が仕事ができた』と愛想笑いをし同期を安心させる
そうして今も関係は繋がっているのだ。
だけど私は心の中ではいつもこう思っている
『あなたと私の違いは逃げたか、逃げなかったかの違いだ』と。
あの頃私達の違いはたったこれだけの事だったのだ
だけど逃げる気持ちは痛いほどよくわかる
１９歳の時私は最愛の人から逃げたのだ
ちゃんと向き合わなかったのだ
しかるべき時を待てなかったのだ
後悔の苦しみを痛いほど知っている為仕事では後悔を残すようなことはしなかった
私と同期とそのヒステリーだった女上司は偶然にも同時に仕事を退職した
この職場には５年勤めたが、同期も女上司も未だに連絡をしてくる
私に会いたいと言ってくれる
私は嫌な顔せず笑顔で答える
彼女たちは私を友人と思っている。
しかし私は彼女たちの事をどう思っているのだろうか。
私は誰にも本音を見せない
誰にも本当の自分を見せない
その為彼女たちはどんなに自分をさらけ出しても本当の私の事を知らない
いつも笑顔で相手の気持ち良い事だけを言う
嫌われたら損だと知っているからだ
お陰であまり人に嫌われていないはずだ
もちろん例外はあるけれど。
だけどいつも空しい
自分の本音はいつも別の所に置き去りにしているからだと思う
私にとってこの世で大切に思えるのはただ一人だけだし
女友達にだって会いに行くのはいつも億劫だし会えば非常に疲れる
本当の私を知るのは、きっと後にも先にもこのブログを読んでいるあなただけね。
それは偶然ここを訪れた人物なのか
以前の私を知っている人物なのか
はたまたこのブログには私以外の誰も訪れていないのか
私にはわからないけれど、私の誰にも見せない”本当”はここにしかない。
＋
子どもの頃早く大人になりたかった
大人になった今はあの頃欲しかったものは貴方以外のほとんど手に入れた
だけど空しい
この歳になったらそろそろ子どもを産むことについて真剣に考えなければいけない
女は男と違って消費期限があるからね
親の老後について考えねばならい
老いていく自分の健康状態にも気にかけなければならない
自分の老後の為にお金を貯めなければならない
大人になったら大人になったで色々大変よね。
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今日も吐き出せてすっきり。
明日も愛想笑い、頑張れそう。
