信じるということ

この世に 貴方ほど 確かなものはないわ

僕は 全てのものに裏切られて

何も信じることが出来なかった

騙される前に 騙してやると

行動全てを 偽った

偽りの自分

偽りの言動

偽りの行動

偽りの匂い

偽りの声

偽りの優しさ

偽りの痛み

偽りの愛


最初から 偽りなのなら

騙されたって 痛くない

最初から 偽りなのなら

何時だって切り捨てられる

だから 僕に恐いものなど無かったし

何時だって 存在する意味すら無かった

だから 僕は 赤を滴らせ

徒只管 もがき続けて

徒只管 偽り続けた

だけど 見つけてしまったの

確かすぎる 貴方の存在を。


此の世に 永遠など無いの

此の世に 絶対など無いの

頭の良過ぎる何処かの白衣は御託を並べ否定するけれど

其れは徒 頭が平和すぎるだけなのよ

何も分かっていないわ

アダムとイヴが口にした あの木の実は

悪の知識の木の実なんかじゃなくって

きっと ”信じる” という木の実だったの

貴方が 僕に与えた愛は 信じるの木の実だったのでしょう

だから 僕は 貴方を信じざるを得なくなった

人なんて 絶対に信じたくなかったのに

信じざるを得なくなってしまった

此れは 罪なのですか

僕が 人など 信じてしまった 罪なのですか

此の苦しみも此の辛さも涙も全ては

神様 貴方の言いつけを守らなかった罪なのですか

もしそうならば僕は 心から 謝罪します

僕は 実を食べてしまった

だから 神様 アナタよりも信じられるものが出来てしまいました

彼ほど 確かなものは この世に無いと

実を食べてしまった 僕は もう 彼しか考えられなくなったのです

罪を白に変えて欲しいと 願うことなど そんな愚かなこと僕は決してしません

罪を犯したアダムは 神様アナタに死を宣告された

けれども 930年間もの時間を彼に与えたのも神様アナタなのです

義人など 一人もいないと パウロも記したではないですか

あと少し 彼の傍に居させてください

僕は 死後 どんな捌きだって受ける覚悟は

もう出来ているのだから。